冷温水水質管理

冷温水系統の水質管理

WS000000p37冷温水系統は、冷却水系統とは異なり、循環水の濃縮や外的要因(大気中の汚染物質)による水質の悪化はほとんどありません。しかし、半密閉または密閉系統であるため、循環水を入替えることが少ないうえに、管理者の目に触れることも稀で、知らないうちに配管内でトラブルが発生していることがあります。主な障害は「腐食」ですが、腐食が進行すると配管内に錆瘤が発生し、閉塞や漏水などのトラブルを引き起こします。その場合は、洗浄し、防錆剤を投入します。それ以降定期的な水質分析で濃度管理を実施し、冷温水系統を腐食から守ります。また、設備を長く使用するという予防保全的な観点からは、初期段階より防錆剤を投入することが重要なポイントです

 

冷温水の腐食原因

  • 溶存酸素

水中の溶存酸素が高くなると、カソード反応が促進され腐食が進行します。ただし、溶存酸素が極端に増加すると、安定した防食皮膜(不動態皮膜)が生成され、腐食が抑えられる場合もあります。

 

  • pH

一般的にpH4以下の場合には、水素が発生するカソード反応が起こり、腐食速度が増大します。また銅のようにpHが高くても腐食速度が増大する金属もあります。

 

  • 水温

水温が上昇すると溶存酸素の拡散速度が大きくなり、腐食速度も増大します。ただし温度が上昇することで水中の酸素の溶解度が低下するので、開放系においては60℃~70℃程度で腐食速度が最大になると言われています。

 

  • 溶存塩類

溶存塩類の濃度が上昇すると腐食も大きくなる傾向があります。特に塩化物イオンは防食皮膜を破壊し、孔食を起こすことが知られています。

 

  • 流速

低流速では金属面に触れる水の条件が均一となるため、局部腐食は減少します。一方、流速が速くなると皮膜の除去や物理的な腐食が起こります。

 

 

冷温水の障害

冷温水系統での障害のほとんどは腐食によるものです。腐食はさまざまな要因によって起こります。密閉系と開放系では異なる場合もありますが、多くは化学的または電気化学的な原因によるものです。

 

 

  • 全面腐食(均一腐食)

 

いわゆる鉄の赤錆や銀の変色など、強い酸などで金属が溶解する場合などに見られる腐食です。

WS000001p37

 

 

  • 孔食

 

腐食が均一に進まず、表面が凸凹になった状態です。塩化物イオンや硫酸イオンが濃縮し、局所的に腐食を進行させます。腐食速度が速いだけでなく、割れや漏水などの重大な障害をもたらす場合があります。

WS000002p37

 

 

 

  • すきま腐食

 

WS000003p37
構造上の「すきま」に生じる腐食です。酸素供給の不足やイオン濃縮による局部電解質の形成によって不動態皮膜が破壊されやすくなり、局部的な腐食が生じます。特に塩素イオンを含む水溶液の場合に、すきま部分が腐食する場合があります。

 

 

  • 浸食

 

水、粉体など流体の流速が速いときに外的な衝撃によって金属が損耗を受ける現象です。水の流れが急激に変化する曲がり部、継手部、弁の下流側、管径の変化する下流側に発生します。

WS000004p37