残留塩素のお話

1 塩素とはどんなもの?

殺菌効力のある塩素系薬剤を有効塩素といい、殺菌や分解してもなお水中に残留している有効塩素を残留塩素といいます。
普段私たちが口にする、水道水の塩素とは残留塩素を指します。
残留塩素の種類には遊離残留塩素と結合残留塩素の2種類があります。

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遊離残留塩素・・・・次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム 結合残留塩素・・・・モノクロラミン、ジクロラミン、トリクロラミン
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結合残留塩素とは、遊離残留塩素とアンモニアが結合して生成される物質です。
殺菌作用は遊離残留塩素のほうが高いですが、残留性は結合残留塩素のほうが高いとされています。

殺菌力 基準値
遊離残留塩素 強い  0.1 mg/l 以上
結合残留塩素 弱い  0.4 mg/l 以上

※水道法施行規則第17条(衛生上必要な措置)より
(ただし、周囲の環境状態により基準値が異なることがあります。)

消毒剤の効果

次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムは消毒効率が高いうえ、残留性が高く末端まで安定して
供給出来ることから使用されています。
これより、水道法では『水の消毒は塩素によることを基本とする』と定められており、その中でも
国が水道水で使用を認めているのは、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、液化塩素です。

 

二酸化塩素※ クロラミン 次亜塩素酸塩 オゾン
消毒性 △※※
残留性 ×

※二酸化塩素は欧州で一般的に使われている塩素剤で、日本でも今後の使用が検討されています。
※※クロラミンの消毒性は次亜塩素塩より弱い

 

2 塩素添加の必要性

塩素添加は消毒された水を作る方法です。
しかし添加すればするほど安全ということでもありません。
<塩素添加によるメリットとデメリット>

メリット デメリット
病原性の菌の感染力を失わせるws000030 塩素が人体に有害トリハロメタンの形成カルキ臭

日本は地下水を多様化している欧州とは違い、湖や河川の水を水源として利用しています。
湖や河川には病原性微生物などの生物が多く存在しているため、浄水場で有害な物質を取り除き、
最後に塩素によって消毒します。
ただし、塩素を添加することによって人体に対しての弊害が生じる恐れがあります。

● 塩素が人体に有害
必要以上に添加すれば、喘息が誘発される可能性があります。
しかし健康な状態であれば、気にする必要はほとんどありません。

● トリハロメタン(消毒副生成物)の形成
塩素添加から生成される消毒副生成物は、数分間煮沸すればなくなります。
同時に塩素も揮発してなくなってしまうので、カビや細菌の発生を考え、早めに使用することを推奨します。

● カルキ臭
カルキ臭は塩素が原因で発生するにおいなので、煮沸すればなくなります。

 

3 残留塩素濃度の基準値はどのようにして決めたの?

給水栓における水の遊離残留塩素の下限値は0.1ppm以上です。
目標値は1ppm以下となっています。
戦前、日本では塩素を必要とする場所はありませんでした。
しかし戦後、GHQは伝染病発生危険防止策として蛇口から出る水の残留塩素濃度を
0.1ppm以上保持することと定めました。

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4 どのような測定方法があるの?

現在、弊社で使用している測定方法としては、比色法を採用しています。

<比色法>
比色管にDPD試薬を入れ、検水を加えます。
色の変化を残留塩素標準比色列と比色して遊離残留塩素を求めます。
その比色管にヨウ化カリウムを加え、残留塩素を求めます。

残留塩素=結合残留塩素+遊離残留塩素

 

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どのようにして水はやってくるの?

飲料水として供給されている水は、湖や河川の水や井戸水が浄水場にて塩素などで消毒されて、
安全に私たちの元へ届くことになります。

浄水場の経路(大阪府営水道高度処理方法)

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文献:上水試験方法 解説編 2001年版 平成14年9月再版
水道法施行規則