管理の盲点!まさか給湯系統で…… レジオネラ属菌繁殖にご注意下さい

中央給湯式給湯系統でのレジオネラ対策はどのようにすれば良いか?

給湯系統の定期的なメンテナンスを心がけてください。対策としては、管末器具の消毒や管末で定期的に水を流して滞留水を作らないようにすること、年1回の貯湯槽清掃が必要です。定期的に給湯水を培養法で検査し、レジオネラ属菌の有無を確認します。

事例詳細

状況

お客様より、給湯系統でのレジオネラ属菌対策について、また発生した場合の対処方法について問合せがありました。

作業内容

対策としてはシャワーヘッド等の管末器具の日常的なメンテナンスや貯湯槽内の定期的な清掃・消毒を行います。また定期的に培養法によるレジオネラ属菌検査を行う必要があります。レジオネラ属菌が発生した場合の対処方法としては給湯系統の配管を高温水でフラッシングするなどの対策を行ったうえで、再検査する必要があることをご説明しました。

解決のポイント

レジオネラ属菌の危険性

レジオネラ属菌は冷却水・浴槽循環水系統等で繁殖することが多くあります。発生したエアロゾル(細かい水滴)と一緒に空気中に飛散し、それを人が吸入することで体内で感染・増殖をして肺炎等の感染症を引き起こす危険性があります。

給湯系統は管理の盲点になりやすい

冷却水・浴槽循環水系統では管理が不十分だとレジオネラ属菌繁殖の温床になることは周知されています。しかし、給湯系統の管理上の問題はこれまで盲点となっており、最近になってようやく認識されるようになりました。
シャワーヘッド・混合栓などの管末器具の多い施設(病院・介護施設・ホテルなど)においては、使用頻度や通水量が少ないことで、系統内にバイオフィルム(生物膜、ぬめり)が発生し、さらにその中で発生した原生動物のアメーバー内でレジオネラ属菌が繁殖します。この場合、バイオフィルムごと除去しない限りレジオネラ属菌は水と共に管末より出続けます。
また、貯湯槽内もレジオネラ属菌繁殖の温床となる場所として注意が必要です。

メンテナンスについて

給湯設備の維持管理及びメンテナンスについて(レジオネラ症防止指針第4版より)

・給湯温度を55~60℃以上に設定する。
・給湯末端の残留塩素濃度を0.1㎎/L以上に保つ。
・貯湯槽の内部清掃・消毒作業(1年に1回以上)
・シャワーヘッドや水栓のコマ部を分解し、内部の汚れ状況を点検する。(6カ月に1回以上)
・シャワーヘッドを消毒剤に漬けて内部の菌を消毒する。(1年に1回以上)

日常的なメンテナンスについて 下記の方法もレジオネラ属菌対策に有効です

・混合栓内は滞留しやすい構造の物もあるため、高温水による熱消毒で流し出す。
・いずれの器具も使用後は、残留塩素濃度が確保されている水で流しておくと再汚染防止になる。

 

万が一、レジオネラ属菌が検出されたら

まずは給湯系統全体を高温水でフラッシングして配管内の菌を洗い流して下さい。
(※可能であれば、高濃度(10~30㎎/L程度)の次亜塩素酸ナトリウムを添加してフラッシングを行うとさらに効果的です。)
フラッシングを十分に行った後、再度レジオネラ属菌検査を行って下さい。

※注意
配管内で繁殖してしまった場合は、レジオネラ属菌の消毒が不十分になる場合があります。(高温水が管末に到達するまでに冷めた結果、殺菌効果が減少することも多々あるため)

 

再度レジオネラ属菌検出の場合でも、貯湯槽の清掃や配管洗浄など、洗浄から検査まですべて弊社で対応可能です。

 

レジオネラ属菌検査頻度の参考として

レジオネラ症感染危険度のスコア化(レジオネラ症防止指針(第4版)より)

推奨されるレジオネラ属菌検査の対応など(スコアの合計点に基づく)
15点以下
常に設備の適切な維持管理に心がける。必要に応じてレジオネラ属菌検査を実施する。
267
常に設備の適切な維持管理に心がける。1年に最低1回のレジオネラ属菌検査を実施する。水系設備の再稼働時にはレジオネラ属菌検査を実施する。
389
常に設備の適切な維持管理に心がける。1年に最低2回のレジオネラ属菌検査を実施する。水計設備の再稼働時にはレジオネラ属菌検査を実施する。

≪具体例≫
病院屋上に設置された冷却塔。冷却塔と外気取り入れ口が接近しており、気流の影響でエアロゾルが外気取り入れ口に流れ込む可能性がある。
入院患者には臓器移植を受けた人なども含まれている。
⇒感染危険因子スコア ①3点  ②3点  ③3点  計9点 

循環式浴槽におけるレジオネラ対策は、管理側も重要性について認識を深めてこられていますが、給湯系統に関してはこれから注意すべき課題と捉えています。

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